ここ一年の間に、東西線の門前仲町駅から西葛西駅の区間、区で言いますと江東区から江戸川区にかけて、
4つの地方銀行が一挙に進出してきているのをご存知でしょうか。
 2016年5月には、群馬県の第一地方銀行である群馬銀行(預金量6兆2,936億円。自己資本比率12.36%。店舗数150)が、
西葛西駅徒歩数分のところに葛西支店をオープンしました。
 2017年7月には、千葉県の第二地方銀行である京葉銀行(預金量4兆961億円。自己資本比率11.52%。119店舗)が、
東陽町駅徒歩数分のところに東陽町支店をオープンしました。
都内では東京支店の出店から53年ぶりの東京での出店になるとのことです。
 2017年9月には、千葉県の第一地方銀行である千葉興業銀行(預金量2兆3,479億円。自己資本比率8.64%。73店舗)が、
群馬銀行さんから西葛西駅を挟んで反対側に西葛西支店をオープンしました。
 そして、今月の2017年11月には、四国の香川県の第二地方銀行の香川銀行(預金量1兆3,662億円。自己資本比率10.53%。87店舗)が、門前仲町駅と木場駅の中間地点に深川支店をオープンします。
 たった一年の間に、近いエリアに4つの銀行が出店するのはなかなか無いことだと思います。
群馬銀行、京葉銀行、香川銀行の営業担当の方とは既にお話をさせていただき、継続的に情報交換しておりますが、彼らがターゲットとしているのは、江東区・江戸川区・墨田区・葛飾区の4区とのことです。
 この4区のうち、江戸川区には東京東信用金庫(預金量1兆7,355億円。自己資本比率11.79%。75店舗)が多数の店舗を構え、
墨田区には朝日信用金庫(預金量1兆7,672億円。自己資本比率9.27%。66店舗)が多数の店舗を構えていますが、
これら2つのメガ信金(預金量が1兆円を超える大規模信用金庫はメガ信金と言われます)以外には、
目立った金融機関は進出しておらず、他の地域に比べて金融機関間の競争が比較的穏やかな地域でした。
 その地域に突然、地方の有力銀行が進出してきましたので、今後、金融機関同士の競争が一気に激しくなることが
見込まれます。
 金融機関同士の競争が激しくなるということは、つまり、各金融機関の間での肩代わり合戦が繰り広げられたり、
運転資金の折返しのタイミングを新参者である金融機関が狙っていったりと、融資の取り合いが起こることを意味します。
この状態は、企業にとっては非常に好ましいことです。
 金融機関というのは、ライバルが入り込んでいない企業には、どうしても①金利は高め、②返済期間は短め、
③プロパーではなく保証協会付き、④不動産を担保として握る、⑤社長の個人保証は当たり前、
といったように企業にとっては不利な条件を提示してきます。
 これは営利企業である金融機関にとって、リスクを抑えて高い収益を得るという、当たり前の行動なのです。
ここへ、ライバルの金融機関が営業をかけてきたものなら、ガラッとその態度を変えます。
ライバルに負けないためには、ライバル以下の条件を提示しない限り、融資を奪われてしまうからです。
 現在お付き合いされている金融機関に対して、金利を下げて欲しい、プロパー融資を出して欲しい、
不動産の担保設定を外して欲しい、社長の個人保証を外して欲しいと交渉しても、非常に難易度が高くなります。
 企業にとって有利な条件を引き出すには、新規の金融機関さんとのお付き合いを初めてする時が絶好のチャンスです。
なぜなら、今のようにどこの企業も借りてくれない時代に、新規融資先を獲得することは銀行員にとって非常にポイントが高く、自分の評価・支店の評価を上げるためには多少は条件を下げてでも融資をしたいという思考が働くからです。
 ただ、彼らも少ない人数で、高い成果を求められていますので、効率を非常に重視します。効率とは一回当たりの融資額です。
一度に3,000万円もしくは5,000万円を借りてくれる企業を探しています。
 年商4億円以上の上記4区に所在する企業にとっては、銀行間の競争原理が働く良い環境になったのではないかと
今後に期待しています。