「御社の事業について深く理解した上で
ニーズや課題への対応を一緒に考えさせてください!」、
このように銀行員から提案されたことのある
経営者の方が増えてきたのではないでしょうか。

超低金利時代の到来、急速な高齢化の進展や人口減少など、
金融機関を取り巻く経営環境は大きく変化しており、
単に利ザヤや規模拡大でこれまでのような
収益をあげてくことはもはや困難な状況となっています。

そのため、将来にわたって持続可能なビジネスモデルの構築にむけて、
①担保・保証に過度に依存しない融資への取り組み、
②取引先企業の事業内容や成長可能性等を適切に評価する仕組みの構築(事業性評価)、
③事業性評価を通じた企業への有益なアドバイス、
ファイナンスを通じた企業価値の向上支援、
などに取り組んでいます。

一年前に比べると、「事業性評価」という言葉が銀行員との会話の中で
出てくる回数が大幅に増えたように思います。融資現場ではすっかり定着しているようです。
社長との「対話」が重視され、「事業について深く知り、
一緒に課題解決策を考えていきたい」というのが今の金融機関のスタンスです。

最近の融資の現場では、適正な利益が確保できないのであれば、
無理をして貸出しのボリュームを追い求めず、
他行がより低金利の貸出条件を提示した場合、
さっさと身を引く金融機関が出始めているようです。

それよりも社長との対話を通じて企業の課題解決を支援し、
その中で融資に結びつく改善策を提示することで
適正な金利をいただくという流れになり始めています。

銀行員に金利の話しかしない社長は
そっぽ向かれ始めるかもしれませんので、ご注意ください。

事業性評価の項目の中でも特に重要な項目の一つが「経営者の資質」です。

中小企業に融資するということは、その経営者に融資しているようなものであり、
企業が発展するも衰退するも経営者次第と考えられています。
銀行の渉外(営業)担当者向けに書かれたある雑誌に、
確認しておくべき経営者の資質について上手くまとめられていましたので、
ご紹介させていただきます。

【どんな理念で経営しているか】
ここは大変重要な部分である。
漠然と大まかな括りでストレートに聞くよりも、
「今期の目標や課題は何ですか?」という短期的な指針から、
「中長期的には、会社をこうしていきたいという夢や希望はお持ちですか?」
という長期的な展望に話を広げた上で、
「なるほど!こういった理念で経営をされているのですね」
と確認をするほうが具体的に分かりやすい。
経営者が理路整然に熱く目標や夢を語ってくれる企業は良い企業だと言える。

【自社の業態の現状、将来性をどう考えているか】
外部環境、内部環境の分析(SWOT分析)と経営者の考えが合致しているか、
また冷静に判断ができているかを確認したい。

【どんな社員教育をしているか】
この点は、ヒアリングするとともに、実際に現場を視察して
徹底できているかをしっかりと確認したい。
例えば、製造業の工場を視察した場合、きちんと従業員が起立し帽子を取って
「いらっしゃいませ」と元気に挨拶してくれる企業は、
お客様を大切にするということが徹底されていると判断できる。

【経営者の個人資産がどれだけあるか】
これは、経営者の保証能力に頼るという意味ではない。
中小企業の場合、残念ながら実態とはかけ離れた財務諸表に
なっているケースが少なくない。
内部留保も薄く収支も常にトントンといった決算が
続いている企業であっても、経営者の個人資産は莫大であるような
ケースがよくある。これは「実態として過去から儲かっていた企業である」
ということにほかならない。利益を企業に蓄積するのか個人に蓄積するのかは
経営者の考え方次第である。逆に言えば、多額の役員報酬を支払っている企業の場合は、
経営者がそれに見合った資産を蓄積しているか確認しておく必要がある。

【数多くの公職に就いていないか】
「地元の重鎮であり間違いない人物」という判断を行い、
痛い目に遭うケースは少なくないので、
本業と公職のバランスをしっかり見極めよう。